ティーチングアシスタント/TA向け勤怠管理システムとは
ティーチングアシスタント(TA)の勤怠管理システムは、大学の教育部門で授業や実験の補助を行うTAの勤務時間を管理するためのシステムです。ティーチングアシスタントに限らず、ラーニングアシスタントやステューデントアシスタント等、同様の雇用形態の学生アルバイトの勤怠管理に適応できます。大学により、また、ティーチングアシスタントの雇用形態によって様々な管理システムのかたちが想定されますが、以下に一般的な機能を示します。
1. 出勤管理
TAが授業や実験の開始時間に出勤したかどうかをシステムで入力することで、勤務時間や出勤日数を自動的に計算することができます。休憩有無や残務管理もあわせて行うことができます。どのような業務を行なったかを登録させることで、承認する側がより正確に勤怠チェックを行えるようにすることもできます。勤務内容の承認は、日単位で行うことも、月単位で行うように設計することも可能ですので、業務フローにあわせた承認単位を実現することができます。同じ時間に重複する複数の勤怠登録が行えないようにするなど、システム側での自動チェックが効果を発揮する領域でもあります。
2. 勤務報告
TAは、実施した授業や実験の情報をシステムで入力し、勤務報告書を作成することができます。授業や実験の内容や時間、参加した学生の人数などを記録することで、報酬の計算や評価のためのデータとして活用することができます。レポート用の別システムや、各教員にそういった報告管理を委ねている場合には不要です。コマ単位での手当や、その他勤務内容に連動した手当を支給している場合には、こうした勤務報告機能を拡張することで対応できる場合があります。システム側ですべて行うのが複雑になりすぎる場合には、連携するシステムや分析用のCSVファイルを出力するにとどめる、というのも一つの方向性でしょう。
3. 休暇管理
TAが有給休暇や特別休暇などを取得する場合には、システムでその情報を入力し、休暇残日数の管理を行うことができます。また、休暇申請に必要な手続きもシステム上で行うことができます。制度上、こうした休暇を付与しない場合には不要です。付与まで行う場合も、付与を全く行わない場合も、使用申告だけ受け付ける場合も、希望仕様にあわせることができます。付与をシステムで行う場合には、役職や付与タイミングなどにあわせて付与数を変動させることが可能です。付与数に加えて、時期や年度で使用できる数を制限したりということも可能です。
ティーチングアシスタント/TA勤怠管理システム構築のポイント
ティーチングアシスタント(TA)として、大学生や大学院生を多く雇用している大学も多いと思います。数が多いことはもちろん、特定の学生を複数の教員が雇用することも多く、その入り組んだ承認フローを管理するのが複雑になりがちです。
エクセルで管理しているような場合ではその入力自体も負担になりがちですし、膨大なファイルを集計する事務局スタッフの負担も非常に大きくなりがちです。データの保管もファイル単位での管理になると参照性が悪く、データが一元管理されているわけでもないので、特定の勤務者の情報を探したいというときにも、慣れと時間が必要になってしまいます。こうしたティーチングアシスタントの勤怠管理も、システム化することで大きな業務効率化を期待することができます。
ここでは、いくつかのポイントに即して、システム化することでどういったことが可能になるかをご紹介できればと思います。
1. 同一日の異なる講義補助に対応
2コマ目はAという授業、3コマ目はBという授業のTAを行うということも一般的と思います。同じ時給であっても資金の出どころが異なったり、その勤務表を承認する教員が異なるため、一つの勤務表で簡単に処理できるものではありません。資金ごとに別々のエクセルを提出させて管理しているというところも多いかもしれません。
入力する書式も複雑なものになりがちで、勤務入力者への導入やサポートだけでも負担は大きくなりがちです。入力ミスや勘違いによる差し戻しとそれに伴うやりとりの負担も無視できません。こういった業務負担はそれ自体に大きな価値はないため、削減できるのであれば積極的に削減すべきです。また、可能であれば業務フローの見直しも並行して進めるのがお勧めです。
複数の教員による雇用を想定した設計にすることで、こうした同一日の勤務混在にも対応できます。時給が異なっても問題ありませんし、分けて集計することができます。勤務表の承認を教員に求める際も、関係のある勤務だけを抽出して表示することができますので、承認者の負担も大きく軽減することが可能です。勤務表も雇用ごとにも生成できるようにしておけば、教員からの保管要望にも細かく対応することができるでしょう。
2. コミュニケーションがシステムで完結
当月の勤務入力をティーチングアシスタントが確定した段階で、自動的に承認者である教員にメールを発信することができます。こうすることで順次承認フローをすすめることができ、事務局のコミュニケーション負担を低減できます。リマインドとしても機能しますので、入力漏れや確定漏れといった業務全体を止めてしまう事態を防止する効果も期待できます。
入力確定が遅れているティーチングアシスタントを抽出したり、承認が遅れている教員を抽出したりといったことも容易に行えますので、督促に関する業務も大幅に効率化することができます。加えて、システムからメールを作成・発信する機能をつけておけば、督促に伴うメールコミュニケーションの負担も軽減できます。また、特定の日付で未確定、未承認のものに自動でメールを発信することも可能です。
いちいち別のメールソフトを立ち上げて処理する必要がなくなるのはもちろん、メールアドレスをコピーしたりする必要もなくなります。コピペ間違いや、送り間違いのリスクもぐっと下がるため、処理時間上の負担はもちろん、心理的な負担も大きく軽減する効果が見込めます。関連する業務がシステム上でまとめて行えるようになるため、マニュアル化や引き継ぎの際の工数も低減するでしょう。
3. インポート・エクスポートで他システムとも連携
システムを利用する方のマスタデータを毎回手動で準備するのは大変です。人事システム等の学内システムにマスタデータが存在するのであれば、そこから出力できる形式でデータをインポートする機能をつけることができます。学内データベースと直接連携できるのであればそこから自動的にデータを引っ張ってくるのが最も効率的です。学内のセキュリティ上そうしたことまでは行いにくい場合には、定期的なCSVファイル等を通じたインポート処理でも代替可能です。
また、経理システム等を別途運用している場合には、そちらのシステムに取り込みやすいようなデータを集計し、エクスポートすることも可能です。勤務データの入力、確認までをシステム内で行い、あとのフローは学内の他のシステムに委ねるイメージです。必要なデータはすべてシステム内に保持されていますので、どのような形式にも出力可能です。
システム内でそういった機能を完結させることももちろんできますし、複数あるシステムの一つとして、学内システムとの連携を前提とした構成にもできます。このあたりは学内のデータ運用や、事情にあわせて選択していただけます。関連部署からの要望を受け止めるかたちで、貴学秘伝の出力連携を模索してみてください。
4. コマ単位での承認も、月単位での承認も可能
何かしらの業務を行い、その勤怠を行なった場合には、その内容を監督者が承認する場合が多いと思います。その承認単位を、コマ単位で細かく承認していくことも、月単位でまとめて承認していくことも可能です。どちらにもメリットがあり、貴学によりフィットする方式を選ぶのが基本となります。
両者それぞれでメリットがあるのは前述の通りですが、あくまで単発的に勤務する場合が多い場合は、個別のコマ単位や時間単位での勤務登録に対して、都度またはまとめて承認を行なっていく方がシンプルになるでしょう。個別で登録することで、却下差し戻しなども個別単位で細かく行えるメリットがあります。一方で、事務補助など、定例的な勤務が多い場合には一般の職員の方と同じように月単位で承認のフローを行なっていくのも有効です。承認が必要な数が大きく減るため、承認者の作業負担を多少軽減できるメリットがある他、従来の紙やエクセルの勤務表の代替という意味では、より直感的な管理手法になるでしょう。
どちらの場合も、最終的な給与支払いの根拠となる集計データは、出力したい期間にあわせて柔軟に出力可能です。出力する形式も貴学内で運用されている形式にあわせることができるため、出力したデータをそのまま給与支払いプロセスに回すことができます。余計なエクセル編集作業を減らす効果が見込めます。
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